バンコクのシーク教寺院で朝食を恵んで貰う

【無料食堂で食したベジタリアンのミールス】

いつも通り大好きなストリートフードを食べておけばいいものを、何を思ったのかフカヒレやツバメの巣など、中華三大珍味なんぞを食べにレストランへ行った時のことである。お会計時にクレジットカードを出したら機械が壊れていると言われ、急遽キャッシュで支払ってしまい手持ちの現金が無くなってしまった。両替すると手数料もかかるし絶対に嫌っ! ということで、翌朝の朝ごはんはシーク教の寺院に行って施し(無料の食事)を受けることにした。


【Gurudwara Sri Guru Singh Sabha グルドワラ】

入り口を入って行くと、靴を脱いで係の人に預けるスタイルである。ナンバープレートを手渡されるので、帰りはそのプレートを出すと自分の靴が戻ってくるシステムだった。男女共に必ず髪を隠さなければいけない。女性だったらスカーフ持参をオススメしたいところだが、無くても無料で借りることは可能である。


【大広間の赤い絨毯の上に座って食べる。座る場所は男女別々。】

【毎日用意されている無料の食事はバイキング形式】

毎日二種類のカレーにチャパティとライス、ヨーグルトがバイキング形式で用意されている。お皿やスプーンも山積みになっているので、勝手に取って食べる分だけ食事を盛り付ける。カップを目の前に置いておくと、ポットを持ち歩いているシーク教の信者が、甘さ控えめでスパイスの良い香りがするチャイを入れてくれた。言葉は絶対通じないのに目と目が合った瞬間、「飲む?」「飲みますとも!」という無言の意思伝達が成立。これが俗に言う異文化コミュニケーションなのだろう。


【一仕事終えて、窓辺でたたずむ信者】

この寺院の総本山は、日本語だと『聖者たちの食卓』のタイトルでドキュメンタリー映画にもなっているインドの黄金寺院である。映画のラストで「人々が生まれも階級も気にすることなく簡単な食事をともに用意し、ともに食べる光景はここでしか見ることができない」と締めくくられているがそんなことはない。グルドワラは北はアラスカから南はオーストラリアまで何千ヶ所も存在する。

バンコクのグルドワラは第二次世界大戦前から存在していた。戦時中は真上から爆弾を落とされたが不発に終わり、偶然にもここに逃げ込んでいた人々は助かった。そんな歴史が残る場所でもある。その後、修復や改築を繰り返して今や立派な大理石の寺院と化したわけだ。私のような筋金入りの無神論者にもVeg Curryを振る舞ってくれるとは、懐の深さにあっぱれ。頭からストールを被って、裸足に胡座で食べる無料朝食はとても健康的で美味しかった。ごちそうさまでした。